「愛」を言葉にするアイドル
友人に連れられて、A.B.C-Z の「LOVE BATTLE TOUR」 の東京フォーラムに行ってきた。席もよく、目の前にお立ち台が準備され、トッツーが立った。いい香水の匂いがした。
ライブは楽しく、A.B.C-Z の魅力がすごく伝わる演出だった。
はじめてみるA.B.C-Z のライブでまず驚いたのは、
一番最初に戸塚祥太が口にした言葉だ
「お前らに会いたくて仕方なかったぜ~」的な言葉。
テレビでみるトッツーは穏やかで口数少なく、
文学青年だった。
そのイメージが最初からことごとく崩れ去った。
それが「良い」とか「悪い」とか、そういうことではなくて。
好きなアイドルから「愛」を語られるとファンはうれしい。
でも
ずっとキンキキッズファンだった私は
光一くんが、愛を語るはずもなく、
自担から愛を語られることなく、20年を過ごしてきた。それが普通だった。
それが、コンサートで
「愛してる」と言うアイドルたち。
例えば、king&Princeの岩橋はよく「愛してる」とかいうし、
投げキスは、定番すぎるほど定番となっている。
それは彼がまだ幼く、
「愛してる」と言う言葉や投げキスが
確実にファンが喜ぶものだと思っているからだ。
つまり、悪く言えば、それ以上のひねり、展開を彼は持っていない。
きっとこれから成長して、色々なバージョンを身に着けていくのだろうなとは思うけど。
さて、トッツーだが。
「おまえらに会いたくて仕方なかったぜ~」は本当なのか?
確かにライブは待ち遠しかったかもしれない。
100歩譲って、ファンがキャーキャー言ってくれるのはうれしいだろう。
それがその言葉になったのだろうとも思える。
トッツーだけではなく、ハッシーも「愛してる」をライブ中はよく口にしていた。
そこで違和感を覚えてしまうのは、私がひねくれているからかもしれない。
本当は愛してないでしょう。と思ってしまう。私のことなんか愛してないでしょ。
ファンのことは愛していると、正論を言うかもしれない。
でも、本当は愛していないでしょう。
私がひっかかってしまうのは、そんなウソではなくて、
もっともっと本当の言葉が聞きたいからなのだ。
「愛してる」が「こんにちは」と同じように使われていることが
嫌なのだ。
あいつら、愛してるって言っておけば、投げキスをしておけば、
キャーキャーいうから、そうしておけばいい、と
条件反射するパブログの犬的に扱われてしまっている気がするからなのだ。
違うでしょ。
もっと考えて表現して。
そんなに簡単に愛の言葉ばかりを口にされてしまうと
愛が本当にたやすいものになってしまうよ。
エサを与えられた犬のような気持ちになってしまう。
そういう私はひねくれているのかもしれない。
でも、単純に「愛してるよ」と、機械的に言われるのであれば、
「熱中症に気をつけてね」
「帰り道、気をつけてね」と少しでも、思っていてくれているんだと思える言葉を聞きたかったなあ、と思う。
でも、「愛してる」の言葉を
甘い言葉を言ってほしいファンのほうが圧倒的に多いのだろうな。